身体介護をはじめ、介護の現場は利用者と身体的な接触を行うことも多い。
そういう場面で、介護スタッフは利用者からセクシャルハラスメント、いわゆるセクハラを受ける可能性も多いものだ。
女性スタッフが介護をする場合、相手が男性の利用者であると、場合によっては、介護の場面で意図的に女性スタッフの身体に触れようとしたり、会話の中で相手に対してセクシャルなハラスメントをしていることがある。
介護サービスを利用している男性の側にそのような意図がないとしても、何気ない一言が介護をしている女性スタッフにとっては、セクハラとなっている場合もある。

介護を要している方々の状態が人によって全く違うので、スタッフ側の対応も難しいのが現実だ。
言語が不自由であっても身体的には何の問題もない方もおり、上手く言葉で表現が出来ないにもかかわらず女性スタッフにセクシャルな要求をしてくる利用者もいる。
訪問介護の現場でのセクハラは、女性スタッフが泣き寝入りしてやり過ごしてしまう場合も多いものだ。

けれども、されて嫌なことは誰にとっても苦痛であるし、他の女性スタッフにとっても嫌なことだという事を認識し、自分が受けたセクハラについては、所属している事業所にしっかりと報告をすることが大切だ。
同じ利用者には他のスタッフを派遣するなどの対応を、事業所はしなければならないのだ。
介護の場面であっても、ハラスメントの体験によって人材を失ってしまうのは多大な損害である。